(2019.9.20)　　　戻る　　　次へ　　　 過去のページ一覧へ　　　　　　　　　　　 　　　　　　名古屋市天白区平針　　２０１９．９．３ 撮影　　　Canon EOS RP 24〜240ミリ 　Ｆ8 　 　ＩＳＯ1250　　-0.7補正 　　　「壁を押さえろ！抜けたら屋根が飛ばされるぞ」父の声がした。私は飛んで来た柱が 　　突き刺さった戸袋と壁を必死に押さえた。そんな状況が1時間以上続いたかも知れな 　　い。 少し風が収まって静かになったところで外に出ると 向かいの2階建ての家が倒壊 　　していた。このとき空がいやに明るかったことを覚えている。 　　　1959年9月26日（土） 18時過ぎ紀伊半島南端に上陸し東海地方を中心に5000 　　人を超える死者行方不明者を出した「伊勢湾台風（台風15号）」からこの9月で60年 　　になる。 インターネットもなくテレビやラジオからも今ほど詳しい情報が得られなかった 　　ことや行政の備えも十分でなかったことが大勢の犠牲者を出した要因といわれる。 　　　当時、中学生だった私の記憶では、この日午前中はわずかに木々が揺れる程度で 　　後で思えば嵐の前の静けさだった。台風は去ったが、電気は止まり新聞も配達されな 　　い日が続いた。学校がはじまったものの 割れた窓ガラスの後始末や床上浸水した近 　　くの家の後片付けを手伝った。 　　　今月は、夜明けの天白川で水面に映るススキの茂みに秋の気配を感じた一枚。