 (2019.5.20) 戻る 次へ 過去のページ一覧へ 
今年も天白川に架かる植原橋から上流に向かって鯉のぼりが飾られ行き交う人々の目 を楽しませてくれた。その中で一匹（一旒）の緋鯉が気になった。 見れば、竿に止めてあった紐が緩んでずり落ちたためであろうか「尾びれ」が ガードパイ プに くくりつけられていて時折吹く風を思いっきり吸い込んでも上手く泳げない。 体を大き く膨らませて大空を見つめるその姿は不憫で目には「悔しさ」がにじんでいる。今月はその ときの一枚。 話は変わって、今から40年くらい前、瀬戸内海を撮り続け「色彩の魔術師」 といわれて いた写真家緑川洋一氏が 、国東半島で撮影した海辺に建つ三軒のわら小屋と小さな鯉 のぼりのある作品 「国東の海辺」をはじめて見たとき、緑の少ない浜辺で わずかに見える 菜の花と鯉のぼりが、春風を感じさせ、子どもの頃見た故郷の風景が浮かんで 何とも言え ない懐かしい気持ちになった。 このことは、今月の一枚を撮影したとき シチュエーションも 全く違うし意識していなかっ たが、心のどこかで「国東の浜辺」のことに反応していたのかも知れない。 |
