(2019.3.20)　　　戻る　　　次へ　　　 過去のページ一覧へ　　　　　　　　　　　 　　　　　　名古屋市天白区井口　　２０１９．３.１５ 撮影　　ＦＵＪＩＦＩＬＭ ＸーPro�U ５０〜200ミリ 　Ｆ8　-0.7補正 　ＩＳＯ400 　　　前日の寒さから一気に暖かい日になった３月１５日。天白川大橋下流の浅瀬で、こ 　　こで芽吹いたのか、どこからか流れ着いたのか？　新しい葉を付けた柳の枝を見て思 　　い出したこと。 今月はその時の一枚。 　　　東日本大震災から一ケ月ほどたった４月８日。宮城県七ヶ浜町は 津波に引き裂か 　　れ壁が抜け落ち 大きく傾いた建物、流れ着いた家や家財、横転した車、それに生活 　　用品やおびただしい木片などが山になって ヘドロのような真黒い土が一面に広がって 　　いた。 そんな中で、水が引かずに残っている水たまりに朽ち折れながらも芽吹いた小 　　枝があった。 　　　薄い雲の合間から時折差し込む鈍い太陽光に照らし出されたその光景に 「再び植 　　物が息を吹き返すことがあるのかと思ったが、こんな 何でもないようなことでも涙が出 　　る思いがする」と被災された男性が言った。 　　　震災から８年が過ぎた。 もうすぐ咲く桜は、被災した人たちの目にはどんなふうに映 　　るのか。 本当の春が一日も早く来ることを祈っている。