今月の一枚　　(2015.11.20)　　　戻る　　　次へ　　　 過去のページ一覧へ 　　　　 　　　　 　　　　アマチュア精神を貫いた写真家 植田正治氏が 「写真に関する自分のゆるぎなき師匠」 と 　　　語った��偉大なるアマチュア写真家�＜Wャック＝アンリ・ラルティーグのことを知りたくてイン 　　　ターネットで検索しているうち彼の「作品集」に出会った。 　　　　彼の作品は自動車レースや洒落た洋服で着飾った上流階級の女性、水辺でくつろぐ女性 　　　たち、スポーツに興ずる女性など第一次大戦前の生活文化の記録となる写真が多い。興味 　　　深いのは 高飛び込みの板のようなものが ２枚突き出てその板の間から洋服を着た紳士が 　　　直立姿勢で宙に浮いている作品など 遊び心を感じる「植田調」と重なる数点の作品で、こう 　　　したユニークな表現が 写実主義の枠を超えた近代主義（モダニズム）への転換期を創った 　　　ひとりと評されている理由ではないか。 　　　　ラルティーグは１８９４年にフランスの裕福な家庭に生まれ６歳（諸説あり）のとき父親にカ 　　　メラを買ってもらったことがきっかけで 自分の身の回りの出来事を日記のように撮り続けた 　　　というが その名は、実に６９歳（１９６３年）のとき、はじめてニューヨークの近代美術館で個 　　　展を開くまであまり知られていなかったという。 このときライフ誌が特集を組んだことから一 　　　躍脚光を浴びるが、彼には高評価を得るための向上心があったとは感じられない。 ただ写 　　　真が好きで撮り続けただけだと思う。 彼の作品を見ていると結果を意識せず素直な気持ち 　　　で撮ることの意味を問いかけられている気がする。 　　　　さて今月の一枚。 12月２２日は昼間の時間が最も短い冬至だが、日の入りが最も早いの 　　　は１２月上旬で冬至より４分程早い（１６時４０分・名古屋）だ。おまけに、この時期は太陽の 　　　位置が低いため立ち並ぶ マンションなどの建物によって陽射しが遮られる時刻も早い。特 　　　に低層階の部屋はお昼を過ぎる頃には日陰になる。いらぬお世話といわれそうだがベラン 　　　ダの洗濯物は乾くだろうか？　 　　　　 　　　　名古屋市天白区井口　　２０１５（Ｈ２７）　１１月６日　撮影 　　　　 フジフイルム　Ｘ−Ｅ１　　１６〜５５ミリ　　Ｆ８オート　-0.3補正　　　ＩＳＯ５００