今月の一枚は、超大型台風１９号が沖縄地方に接近している１０月９日に灰色の雲が広
　　　がる愛知県日進市赤池町にある「大正橋」上流で撮影した。
　　　　この辺りの堤防には最近まで葦が密生し数本の樹木も生えていて、これから冬に向かっ
　　　て葦の花穂と川から立ち上る霧が日の出直後の黄金色の太陽に染まって「ここが天白川」
　　　 と思わせる素晴らしい姿を見せてくれた私の好きな撮影地だった。
　　　　今見ると、護岸工事によって葦はすっかり刈り取られ 樹木も伐採されて 川幅がこれまで
　　　より広くなったように感じる。「水害対策」と言われれば仕方がないが、あの素晴らしい光景
　　　がもう見られなくなると残念だ。
　　　　それでも、少し上流の 国道１５３号線の辺りまで行くとまだ 生い茂った葦と低木が残って
　　　いて、堤防の北側の畑や田んぼに 面した斜面にはススキの群れが広がっている。そのス
　　　スキの群れに混じってセイタカアワダチソウの黄色い花が風に揺れている。
　　　　セイタカアワダチソウと言えば 地下茎が地中に走って他の植物の成長を妨げながらすご
　　　い勢いで 繁殖することや一時期「花粉症」の原因だと騒がれたりして悪役にされていたが、
　　　「虫媒花」で 杉のように風で花粉を飛ばすことは少ないことが 明らかになり、今ではすっか
　　　り秋の風景に溶け込んでいる感がする。
　　　　咲きはじめたばかりの淡く黄色い花は白いススキの花穂と良く馴染んで 「秋の彩」を楽し
　　　ませてくれている。ただ、その期間は短く、やはり 濃い黄色い花の群れはアレルギー体質
　　　の人には気になる存在かも知れない。　　　

　　　　 日進市赤池町　　２０１４（Ｈ２６）　１０月　９日　撮影
　　　　　フジフイルム　Ｘ−Ｅ１　　２３ミリ　Ｆ６.４オート　＋１補正　　ＩＳＯ５００　　ＷＢ太陽光