(2023.10.20)　　　戻る　　　次へ　　　 過去のページ一覧へ　　　 　　　　　　名古屋市天白区植田南　　２０２3.10.6撮影　　　ＦＵＪＩＦＩＬＭ ＸーPro�V　55〜200ミリ 　Ｆ8　　　ＩＳＯ400　　+0.3補正　　　　　 　　　記録的だった暑さがようやく終った十月はじめ、川沿いの道から水面に目をやると北 　　西の風に揺れるススキの映り込みが目に止まった。何故かそのとき懐かしい気持ちが 　　湧き上って思わずシャッターを切った。今月はその一枚。 　　　絶景でもなく珍しくもない 水面にススキが映り込んでいるだけの普通の風景だったが 　　流れる空気がそうさせたのか 幾重にも重なる丸い波紋に反応したのか子どものころの 　　ふるさとの風景が浮かんだ。　　 　　　当時、私のふるさとは、 川の流れ。こんもりした山。広がる田畑。 鎮守の森。遠くの 　　青い山並み。 火の見やぐら。土間のある家。桶屋が木槌でタガを打つ。 鍛冶屋は真 　　っ赤に焼けた鉄を打つといったどこにでもある風景が子どもが遊べる範囲にあって 今 　　でも心の片隅にとどまっている。 　　　人には、成長の過程で知らず知らずのうちに 心のどこかに刻んできた風景があって 　　普段忘れていても 何かのキッカケでその存在に気づくといわれている。私はこのよう 　　な心に潜んでいる風景に人の精神形成との関わりを感じる。