(2017.7.20)   戻る   次へ    過去のページ一覧へ           

      名古屋市天白植田南  2016.6.28 撮影  FUJIFILM XーProU 16〜50ミリ  F7.1  +1 補正 ISO1600

   雨の天白川。鉛色の雲が映る川面には雨粒が小さな円をいくつも描いている。
   河川敷に降りて草をかき分けながら川岸まで行ってみた。膝まである長靴を履いて
  いても膝上はずぶ濡れになった。
   幅50センチくらいのコンクリートで固められた護岸まで行くと、川面に映りこんだ電柱
  のある光景が見えて、何となく懐かしさを覚えた。 雨の日という雰囲気が影響してい
  たかも知れないが、その場の空気感をそのまんま写真にしたいと思った。
   無意識のうちに心のどこかに刻み込んでしまった記憶は、何かのきっかけで ふいに
  現れる。 それに反応してシャッターを切る。それが記憶に残っていた光景とまったく
  同じではないかも知れないが、その風情≠ノ心を動かされることがある。
   今月の一枚も、どこかで体験したのか何かで見たことがあったのか、ぼんやりとした
  記憶が、何の変哲もない光景とつながって、今度は、いままでとは 少し違ったあらた
  な記憶が記録された。 こうした写真は第三者に伝わるかどうかわからないが 「写真
  を創る」うえでは大切ではないかと考えている。